上方浮世絵師
浅山芦国
円成院(えんじょういん)
〒543-0076
大阪市天王寺区下寺町2-2-30
最寄り駅
大阪メトロ 谷町線
四天王寺前夕陽ヶ丘駅3番出口
より徒歩7分
大阪メトロ 堺筋線
恵美須町駅1A出口より徒歩10分
円成院は時宗のお寺で仏智山円成院が正式なお名前です。時宗のお寺はこの辺りではこの円成院しかなく、とても珍しいお寺とも言えます。何故、ここにあるのかは定かではなりませんが、時宗の開祖「一遍上人」がこの地を訪れ、小庵を構えたというお話があり、その後、その庵が時宗の広がりとともにお寺になったようです。
また、この円成院には有名な芸能の方々のお墓が多数存在します。その一部をご紹介します。
1.植村文楽軒(初代と2代目)
お馴染みの人形浄瑠璃の文楽を広めた方です。
2.松尾芭蕉
松尾芭蕉の墓はあちらこちらにあるのですが、ここにもあります。ただ損傷が激しく、名前等は全く確認できません。横には絶筆句「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」と書かれた碑があり、この墓が芭蕉のものであることがわかります。
3.二代目不知火諾右衛門(力士)
大坂角界の再興に尽力された横綱。初代不知火諾右衛門は今も残る不知火型を始めた力士。
4.朝日山陣門(力士)
5.三代目藤島岩右衛門(力士)
6.浅尾山喜太郎(力士)
7.初代桂文枝(落語家)
お馴染みの桂文枝さんの初代の方のお墓です。物語性のある今の落語を始められた方で、正に落語の神様のようなお方です。お墓はここ以外に上本町近くの全慶院にもあります。何故、2つあるのかはお考えください。
8.初代嵐吉三郎(嵐 里環)(歌舞伎役者)
大坂生まれの歌舞伎役者。嵐勘三郎の門下、大柄でどんな役でもこなした名役者です。
9.四代目市川團蔵(歌舞伎役者)
京都生まれ、三代目市川團蔵の養子の名役者です。
10.五代目市川團蔵(歌舞伎役者)
四代目市川團蔵の養子で、子役で舞台に上がり、江戸でも有名になります。その後、五代目を継ぎ、江戸と大坂で大活躍します。
11.三代目大谷友右衛門(歌舞伎役者)
敵役や実悪(悪人)がお家芸でした。
12.三代目竹本住太夫(浄瑠璃太夫)
盲目の浄瑠璃太夫で、一度聞くとすぐに覚え、おうむ返しのように繰り返したので。みんなびっくりしたそうです。
13.三代目竹本咲太夫(浄瑠璃太夫)
義太夫節の太夫。
14.六代目竹本咲太夫(浄瑠璃太夫)
義太夫節の太夫。後の3代目豊竹巴太夫。
15.
しかし、なぜこんなにも多くの芸能関係の方のお墓があるのでしょうか?
調べたところ、時宗には踊り念仏というものがあり、その踊りの場が次第に風流踊りや管弦といった芸能の催される場ともなっていき、それが芸能の広がりに繋がっていったようです。
また、他の宗派のお墓も多々あります。
特に多いのが、法名には一番上に「釈」という字がついたお墓です。これは浄土真宗の法名です。夕陽丘の辺りのお寺はほとんどが浄土宗で、その他に曹洞宗もありますが、浄土真宗のお寺はありません。
昔、この墓が出来た頃は浄土真宗のお墓は本願寺以外に建てられなかったそうです。しかし、本願寺はこの辺りにはありません。そこでこの円上院に建てることになったようです