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 皆さん、上方浮世絵をご存知でしょうか?
 浮世絵というと北斎や歌麿を連想しますが、上方歌舞伎が盛況だった時代に役者絵を描いた絵師が上方(大坂)でも活躍しました。その名手が浅山芦国です。心斎橋にも近い安堂寺町五丁目に住んで享和から文政年間に活躍し、読本の挿絵や芝居の看板絵も得意としたとされ、門下も多く、大坂で役者絵の一派を形成しました。
 その石碑が、昨年、大阪市天王寺区下寺町の円成院の無縁仏から見つかりました。石碑に彫られた絵は芦国が描いたと思われ、画風がしのばれます。けれども保存状態は良好ではなく、このままでは剥落して石碑自体がなくなってしまいます。
 芦国の碑を朽ちさせていいのか? なんとしても残したい! 大切な石碑の保存方法を探りました。そんな折り、公益財団法人美術院国宝修理所の八坂寿史工房長が手弁当で修復をしてくださり、一ヵ月をかけて表面の修復が完了しました。

2017年10月に無縁仏群の中からほぼ崩壊寸前状態で見つかりました。これは和泉砂岩特有の状態で、正面と側面はめくれており、かろうじて下部分が付いていました。

見つけられたのは国立博物館の曽田めぐみ氏です。資料では下寺町の遊行寺にあるとは書かれていましたが、どこにあるのかは謎でした。

​下の映像は発見から修復までをまとめたものです。

​次の映像は石碑を設置する場所の基礎工事の様子です。

出来上がった祠です。下のプレートには浅山芦国について書かれており、側面のプレートにはこの石碑についての説明とこの石碑保存に協力いただいた方々のお名前が刻まれています。

幕と石碑.JPG
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